この本には、e-honのメルマガで紹介されていたことがキッカケで興味を持って、その時すぐに図書館に予約を入れていました。それが回ってきたので読んだのですが、軽いエッセイとしては面白かったです。ただ比較文化論として読んだなら、ちょっと物足りなかったかなという感想を持ってしまうかもしれません。
本の冒頭部分にある話ですが、こんな一文がありました。
日本は、アジア、アフリカで一度も植民地にならなかった稀有な国だ
とは、ヨーロッパでは普通に言われていることです。が、著者はこれを初めて聞いたときに驚いたんだそうです。私は逆に、なんでそれで驚けるの?と感じました。歴史を遡ってみれば、植民地になってしまう危機は何度かあったことくらい、すぐ思いつくでしょうに、と感じたからです。学校では習わなかったでしょうが、歴史に興味があれば思いつきますよ。
そこで、比較文化という興味を少し脇に置いて読むことにしたんです。(私は、文化が違うのは当然だと思っているので、その違いを知るということに興味を持っています)話の中身は著者がヨーロッパなどで関わってきた、「ごく普通の人たちから見た日本のイメージって、こんなものですよ」的な話が中心ですので、ビジネストークではない本音の部分を垣間見るという点では興味深かったです。古今東西、隣の芝生は青いものですけどね。
欲を言えば、少し突っ込んだ内容が読みたかったです。