宮沢賢治といえば、「風の又三郎」とか「銀河鉄道の夜」あたりを思い起こす人が多いでしょうか。実際それらは有名ですし、印象に残る作品だと思います。私もKindle版の「風の又三郎」を読もうかと思ってDLだけはしてあるのですが、今回ふと読みたくなったのは、この作品でした。
「オツベルと象」を最初に読んだのは、もうン十年も昔の小学生の頃です。当時、買ってもらった物語全集に収められていたのを読んだのが最初でしたね。その後、中学の国語の教科書に載っていたことも覚えてます…。(しかも、短大の時の教育実習でやった授業の題材でした)
当時どう読んでいたのかは正直覚えていませんが、今読むと、結構社会風刺が入っているように思えます。恐らく大きな農家の主人だろうと思われるオツベルが百姓たちを働かせているところに、象がなぜか訪ねてきたところから話が始まるのだけど、彼の象に対する扱いが酷いです。その扱い方は、まさに「アメとムチ」を用いたやり口です。子供時代には気付かなかったけれど、宮沢賢治の童話って、少量の毒が含まれているのかもしれません。*1
でも、大人になって読んでも気付かない人も多分いるんだろうな…とも感じます。それはそれで、幸せかもしれません。
*1:社会風刺という点から見れば、昔のポンチ絵もそうですが…。