ねこママの読書ノート

私の感想を書いていく Blog です。

夫婦の時間

 

 

以前、ブックオフで単行本の方を少しだけ立ち読みしたことがあった。たまたま、この文庫本を図書館で見掛けて借りたのだが、読んでいて切なくなった。(橋田さんの著書をまともに読んだのは、多分これが初めてだと思う)


どんなことでも、失って初めて分かることもあると思う。まして、人生の伴侶であるなら尚更そうだろう。まだ私には想像すらしたくないことだけれど、少なくとも夫婦だけの家族だからこそ我が身に置き換えて考えてしまったかも知れない。それほど、読み始めたら気に掛るエッセイであった。


橋田さんの御主人は、がんで亡くなられたそうだ。しかし、御本人には本当の病名を伝えずに見送ったそうだ。告知をするかしないかってことは、どちらにしても迷うみたいだ。私だったら、どうだろう?やはり、逡巡して言えなくなるのではないだろうか。そんなことを考えてみたり、私自身の不出来なこともやはり考えてしまった。未だに私は時々、「子供のことを自然に任せる」ことを選んで良かったのかどうか、ひとり考えてしまうことがあるからだろうか。心が痛かった。


そういったことも、いつかは何かしらの答が出るのだろうか。私は、納得できるのだろうか。