ねこママの読書ノート

私の感想を書いていく Blog です。

高校生が感動した「論語」

 

高校生が感動した「論語」 (祥伝社新書)

高校生が感動した「論語」 (祥伝社新書)

 

 

著者が教員時代の経験を踏まえて、思い切った意訳を試みているのが新鮮に感じた。これだけ理解しやすい「論語」には、初めて出会ったんじゃないかなと思う。と言うより、従来の訳文が(時代性もあるが)堅苦しくなりすぎて、高校生でなくても敬遠してしまう書物になってしまっていたのではないか。ちょっと大袈裟に喩えてしまったのではあるが、私はそんな風に捉えてしまった。


本書には、生徒の躓く理由が書かれていたのだが、なるほどそうだよねと納得することも。だって、「孔子先生の言葉より偉そうな弟子の言葉って、いったい何様よ!」だろうし、高校生くらいだったら政治抗争や宮廷儀礼の話だなんて興味ないだろうし、「口語訳を読んだくらいじゃ意味分かんない!」じゃカッタルイばかりでしょうから。遠い記憶を辿ってみると、私だって現役の高校生だった頃はあまり向き合えなかったように思える。


この本は図書館で見掛けて借りたのだけれど、買っても良いかなと思った1冊だった。(実際に購入するか否かは別にして、私にとっては時間をおいて再び読んでみたい本であることには変わりない)

子曰わく、賢を見ては斉(ひと)しからんことを思い、不賢を見ては内に自らを省みる。

 

・・・自分よりすぐれた人を見て、ひがんだりせずに発憤するっていうのは、そう簡単じゃない気がする。そして、自分より劣った人を見て、自分にも同じようなところがないかと見つめ直すことも意外に難しい気もする。素直な目と心で自分を点検出来るようになれると良いなあ、なんて思った。