セキュリティはなぜ破られるのか―10年使える「セキュリティの考え方」 (ブルーバックス)
- 作者: 岡嶋裕史
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/07/21
- メディア: 新書
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勉強の一環として読むのに丁度良いかな、と思って図書館から借りて読んだ本である。本書は特に基礎理論に重きを置いて書かれているようだったので、基本を学ぶのに良い本だと思った。そして、セキュリティ関連の話でよく言われているように、「人間が一番の脆弱性要因」なんだなと再確認できた気がする。
現代ではセキュリティといえば、まず思い浮かべるのはIT関連のことかもしれない。でも、「安全に暮らしたい」という欲求は今に始まったことではない。だからこそ、昔から人々は「安全」とか「安心」に関心があったのだと思う。守る価値のあるものをどうやって守るのか?
ちなみに著者は、「入り鉄砲に出女」にセキュリティの本質があると述べておられる。この言葉は江戸時代に言われたことではあるけれども、考え方としては当を得ている。守らなくてはいけないものに対して、どういうフィルタを使用するのかが大事になってくるからだ。それと、セキュリティ技術というものは、新しい技術が生まれる度に常に脆弱性を生んでしまうものらしい。だから、破られない技術というのは無いのだとか。
じゃあ、どうやってセキュリティを上げるのか?それには、リスクを下げることで対応するしか無さそうである。(だからリスク管理って必要になるんだけどさ)これは個人も企業も、方法は違っても基本的に変わらないのではないだろうか。勿論、技術に頼り過ぎて過信するのは良くないと思うが。(昨今の出来事を見ていれば、嫌でもそう思わざるを得ない)
何かと問題になる「セキュリティ」だけれど、リスクから考えても「人間」は最大のリスク要因なのだなと、本書を読みながら確認してしまったようである。しかし・・・本質は全然変わっていないというのには妙に納得してしまったな。